社会人として、どんな身だしなみが適切なのか分からず不安…
社会人にとって、身だしなみはビジネスマナーの基本です。
身だしなみを整えておかなければ、相手からの印象を損なう可能性もあるため、ポイントを知っておく必要があります。
そこで本記事では、男女別の身だしなみポイントや身だしなみと合わせて大切な名刺交換マナーについてご紹介します。
- 軽視されがちなビジネスにおける身だしなみの重要性
- 男女別の身だしなみのビジネスマナー
- 名刺交換がビジネスマナーで重要な3つの理由
- 社会人の名刺交換の基本マナー5選
適切な身だしなみが分からず不安に感じている新入社員の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
軽視されがちなビジネスにおける身だしなみの重要性
外見よりも中身が大事と考える方もいますが、ビジネスにおいて身だしなみは相手に与える印象を左右する重要な要素です。
心理学のメラビアンの法則によると、人はコミュニケーションの中で言語・聴覚・視覚から情報を得ており、最も影響を受けるのは視覚情報だと言われています。
身だしなみを整えておけば、「清潔感のある人」「綺麗で上品な人」などと相手へ与える印象が良くなり、結果として良好な関係構築につながるのです。
もちろん、話す内容や声のトーン、表情なども大切ですが、見た目の大部分を占める身だしなみを整えるのは、最も効果的な方法と言えます。
仕事の出来る人や一流の経営者で身だしなみの悪い人がいないのは、相手へ与える視覚情報を重要視しているからなのです。
【男性】身だしなみのビジネスマナー
男性の身だしなみで最も重要なのは、清潔感があるかどうかです。
見た目に清潔感がなければ、だらしなさや頼りない印象を与えるだけでなく、非常識な人と思われる可能性もあります。
男性の中には見た目をあまり気にしない方もいますが、服装・ヘアスタイル・スキンケアなどのチェックポイントを参考に、身だしなみを整えるようにしましょう。
男性の服装チェックポイント5つ
男性の服装のチェックポイントは以下の5つです。
- 着衣にシワや汚れがないか
- サイズ・デザインは適切か
- スラックスに折り目がついているか
- 靴は磨かれているか
- ネクタイはずれていないか
清潔感が出るように、日ごろからチェックしておいてください。
着衣にシワや汚れがないか
着衣にシワや汚れがついていると清潔感は感じられないので、着用する前に必ずスーツの状態を確認するようにしましょう。
とくに、襟や袖口はシワや汚れが目立つ部分なので、念入りにチェックしておいてください。
スラックスに折り目がついているか
スーツのシワや汚れと合わせてチェックしておきたいのが、スラックスの折り目です。
折り目が取れていたり薄れていると、全体的に貧相な印象になってしまいます。
クリーニングに出すか、自分で整える場合はアイロンでプレスすれば折り目をつけられるので、着用前に整えましょう。
サイズ・デザインは適切か
スーツのサイズやネクタイ、靴下のデザインも身だしなみにおいて重要なポイントです。
たとえば、小さいスーツはシワがよってだらしなく見え、大きいスーツは生地が余って野暮ったい印象を与えます。
また、派手すぎるネクタイや白い靴下もスーツに合わせるのはNGです。
スーツは自分の体に合ったサイズ、ネクタイや靴下は職種に合った派手すぎないデザインを選んでください。
靴は汚れていないか
スーツやネクタイを綺麗にしていても、靴が汚れていては意味がありません。
そのため、靴もしっかりと磨いて汚れを落としておくのがポイントです。
また、かかと部分が擦り減っていないかどうかも確認しましょう。
ネクタイはずれていないか
取引先やお客様と会う前には、鏡で身だしなみをチェックします。
この時、ネクタイがずれていないか確認して整えておいてください。
結び目が左右非対称になっているとネクタイはずれやすくなるので、結び直すのも一つの手です。
ネクタイピンを持っている場合は、留めておいても良いでしょう。
男性のヘアスタイルのチェックポイント3つ
ヘアスタイルのチェックポイントは以下の3つです。
- 髪型・髪色は適切か
- 髪は傷んでいないか
- 寝癖はついていないか
ヘアスタイルが乱れていると、清潔に見えづらくなってしまうため注意してください。
髪型は適切か
職種にもよりますが、基本的に長すぎる髪型はビジネスシーンでNGです。
そのため、こまめにカットして短めの髪型を保つようにしましょう。
とくに、前髪やサイドの髪が長いと表情も暗く見えてしまうので、注意しなければいけません。
寝癖はついていないか
寝癖がついていると相手から「だらしない人」と思われてしまうので、自宅を出る前に直しておいてください。
前・側頭部だけでなく、後頭部にも寝癖がないか確認しましょう。
フケはついていないか
髪の毛や肩にフケがついていると、目立ってしまいます。
相手にも不快感を与えてしまうため、事前にきちんと取り除いておいてください。
男性のスキンケアのチェックポイント2つ
スキンケアのチェックポイントは以下の2つです。
- 髭の剃り残しはないか
- 皮脂で光っていないか
時間をかけてケアする必要は有りませんが、最低限この2つは抑えておきましょう。
髭の剃り残しはないか
ビジネスシーンにおいて、髭を生やすのは基本的にNGです。
職種や職場によっては問題ない場合もありますが、髭は剃り残しのないように処理しておいてください。
皮脂で光っていないか
皮脂で顔が光っていると清潔感が感じられないため、注意しなければいけません。
気になる場合は、あぶら取り紙などを用いて皮脂を抑えるようにしましょう。
また、メンズ用のスキンケア用品やテカリ防止パウダーなどを活用するのもおすすめです。
その他男性のチェックポイント3つ
服装やヘアスタイル、スキンケア以外にもチェックポイントがあります。
- 爪は伸びていないか
- 体臭・口臭のケアができているか
- カバンは綺麗か
細かい部分は忘れやすいので、しっかりとチェックしておいてください。
爪は伸びていないか
名刺交換を行う際は手元も見られるため、爪も適度に手入れしておく必要があります。
女性に比べて、男性は爪が伸びているとあまり良い印象を持たれないので、適切な長さに切っておきましょう。
長すぎず短すぎず、指先から爪が出ない程度の長さに整えるのがおすすめです。
体臭・口臭のケアができているか
体臭や口臭のケアができていないと、相手に不快感を与える可能性があります。
「自分は大丈夫」と過信せず、身だしなみの一貫としてケアしておいてください。
制汗スプレーや汗拭きシートなどを持ち歩いておけば、気になった時にいつでも使えるのでおすすめです。
ただし、香水などの香りがきつい製品は使わないようにしましょう。
カバンや名刺入れは綺麗か
荷物を入れすぎていたり、整理できていないカバンを持っていると、「だらしない人」「仕事ができない人」といった印象を与えることがあります。
定期的にカバンの中を整理して綺麗に保つのがポイントです。
【男性】身だしなみのビジネスマナーまとめ
男性のビジネスマナーにおける身だしなみの一覧はこちらです。
- 着衣にシワや汚れがないか
- サイズ・デザインは適切か
- スラックスに折り目がついているか
- 靴は磨かれているか
- ネクタイはずれていないか
- 髪型・髪色は適切か
- 髪は傷んでいないか
- 寝癖はついていないか
- 髭の剃り残しはないか
- 皮脂で光っていないか
- 爪は伸びていないか
- 体臭・口臭のケアができているか
- カバンは綺麗か
続いては、女性の身だしなみについてご紹介していきますね。
【女性】身だしなみのビジネスマナー
女性の身だしなみで最も重要なのは、上品さが感じられるかどうかです。
日頃から身だしなみに気を使う女性は多いですが、「おしゃれさ」を優先するあまり、ビジネスシーンにそぐわない格好になっていることも少なくありません。
服装・ヘアスタイル・メイクなどのチェックポイントを参考にしながら、ビジネスシーンに合うように身だしなみを整えましょう。
女性の服装チェックポイント3つ
女性の服装のチェックポイントは以下の3つです。
- 着衣にシワや汚れがないか
- ビジネスシーンに適した服装か
- ヒールの高さ・太さは適しているか
清潔感を意識するのはもちろん、上品さも取り入れるのが理想です。
着衣にシワや汚れがないか
男性と同様に、着衣にシワや汚れがないようにチェックしましょう。
とくに、スカートは座りジワがつきやすいため、着用する場合は注意してください。
また、ストッキングも伝線に注意し、万一に備えて替えを持ち歩いておくのがおすすめです。
ビジネスシーンに適した服装か
先述したように、おしゃれさを意識するとビジネスシーンにそぐわない服装になるため、職種や職場に合わせて適した恰好をしてください。
たとえば、スカートは膝が隠れる丈にして露出度を抑えるのが大切です。
また、ストッキングの色は自分に合った肌色を選びましょう。
ヒールの高さ・太さは適しているか
シューズ選びも、身だしなみにおいては重要なポイントです。
全体的なデザインはもちろん、ヒールの高さ・太さにも気を配ってください。
おすすめはヒールの高さが3~5cm程度、ある程度太さのあるシューズです。
高すぎるヒールや細いピンヒールは華美な印象を与えてしまうため、ビジネスシーンでの着用は避けましょう。
女性のヘアスタイルのチェックポイント3つ
女性のヘアスタイルのチェックポイントは以下の3つです。
- 髪型・髪色は適切か
- 髪の傷み・寝癖はついていないか
- ヘアアクセサリーは派手すぎないか
女性は男性に比べて髪が長いため、ヘアスタイルで相手の印象を左右しやすいと言えます。
印象を損なわないためにも、しっかりとチェックしてください。
髪型・髪色は適切か
上品に見せるためには髪型や髪色も重要です。
髪の毛が長い場合はひとつにまとめるなどして、すっきり見えるようにしましょう。
その際、浮き毛(アホ毛)があると綺麗に見えないので、スタイリング剤などを活用して整えるのがおすすめです。
また、髪色はブラックやダークブラウンなどにし、明るすぎる色を避けてください。
髪の傷み・寝ぐせはついていないか
傷みや寝癖で髪の毛にまとまりがないと、清潔感を感じられないだけでなく、実年齢より老けて見えることもあります。
ヘアアイロンなどで整えたり、髪の毛の傷みがひどい場合はカットも検討しましょう。
髪の毛全体に艶があると綺麗で上品に見えるので、意識的にケアしてみてください。
ヘアアクセサリーは派手すぎないか
髪の毛をまとめる際は、シンプルなヘアアクセサリーを使用してください。
大きい飾りがついているなど、派手なデザインのヘアアクセサリーはNGです。
メイクのチェックポイント3つ
メイクのチェックポイントは以下の3つです。
- ビジネスシーンに適したメイクができているか
- 血色が良く見えるか
- カラーコンタクトが派手すぎないか
メイクの仕方で印象は変わるため、プライベートとは分けるのが大切です。
ビジネスシーンに適したメイクができているか
派手すぎるメイクはビジネスシーンに適さないので、なるべくシンプルを心がけてください。
たとえば、濃いアイラインやマスカラ、つけまつげなどは避けた方が良いです。
あくまでオフィスメイクなので、「相手にどう見えるのか」を考えてメイクをしましょう。
血色が良く見えるか
メイクする際は、血色が良く見えるかどうかも意識してください。
とくに、ファンデーションの色が自分の肌色と合っていない場合、白浮きして血色も悪く見えるので注意しなければいけません。
また、派手すぎるメイクだけでなく、ノーメイクもビジネスシーンにおいてはNGです。
血色を良く見せるためにも、自分に合ったメイクを行ってください。
カラーコンタクトが派手すぎないか
ナチュラルなデザインであれば問題ありませんが、派手すぎるカラーコンタクトはビジネスシーンに向きません。
職種・職場ごとに基準は異なりますが、プライベートで使用しているカラーコンタクトとは分けるのがおすすめです。
その他女性のチェックポイント4つ
服装やヘアスタイル、メイク以外にも以下4つのポイントがあります。
- 爪先は綺麗か
- アクセサリーは派手すぎないか
- 香水はきつすぎないか
- カバンや名刺入れはビジネスシーンに合っているか
細部まで漏れなく身だしなみを整えておきましょう。
爪先は綺麗か
爪先を整えておけば指や手全体が綺麗に見えるため、相手に上品さをアピールできます。
そのため、ケアをしたり、ベージュやベビーピンクなどのシンプルなカラーでネイルを施しておくのもおすすめです。
ただし、派手すぎたり長すぎるネイルはビジネスシーンにそぐわないので避けましょう。
また、手荒れしている場合もケアして整えてください。
アクセサリーは派手すぎないか
アクセサリーをつける場合、小ぶりでシンプルなものが良いです。
派手すぎたり、目立つデザインのアクセサリーはプライベートで使用するようにしてください。
香水はきつすぎないか
男性と同様、女性も香水は避けた方が良いです。
ほのかに香る程度であれば問題ありませんが、相手からきついと感じられる可能性もあるので注意しましょう。
カバンや名刺入れはビジネスシーンに適しているか
カバンや名刺入れなど、持ち物もビジネスシーンに合うデザインを選ぶのが大切です。
色はブラックやブラウン、ベージュなど、素材はレザー製を選ぶのがおすすめです。
とくに、名刺入れは名刺交換時に目に入るため、上品さが感じられるデザインを意識して選んでください。
次項からは、身だしなみと合わせて重要な名刺交換について見ていきましょう。
【女性】身だしなみのビジネスマナーまとめ
女性のビジネスマナーにおける身だしなみの一覧はこちらです。
- 着衣にシワや汚れがないか
- ビジネスシーンに適した服装か
- ヒールの高さ・太さは適しているか
- 髪型・髪色は適切か
- 髪の傷み・寝癖はついていないか
- ヘアアクセサリーは派手すぎないか
- ビジネスシーンに適したメイクができているか
- 血色が良く見えるか
- カラーコンタクトが派手すぎないか
- 爪先は綺麗か
- アクセサリーは派手すぎないか
- 香水はきつすぎないか
- カバンや名刺入れはビジネスシーンに合っているか
名刺交換がビジネスマナーでも重要な3つの理由
ここまで身だしなみについて解説しましたが、名刺交換もビジネスマナーにおいては重要です。
理由を大きく3つご紹介しますので、身だしなみと合わせて名刺交換も意識しておいてください。
第一印象を左右する
名刺交換は、メラビアンの法則でいう視覚情報にあたります。
そのため、正しいマナーで名刺交換を行えば、相手へ与える第一印象を良くできるのです。
反対に、いくら身だしなみを整えていても、名刺交換マナーがなっていなければ、印象は悪くなってしまいます。
名刺交換の仕方で第一印象は良くも悪くもなるので、重要度は高いと言えます。
相手に好印象を与えられる
第一印象は記憶に残りやすく、その後の評価にも影響すると言われています。
そのため、正しい名刺交換で第一印象を良くしておけば、「誠実な人」「丁寧な人」などと好印象を持たれやすくなります。
好印象を持つ相手とは良好な関係も築きやすいので、ビジネスに良い影響を与えてくれるでしょう。
ビジネスチャンスが拡がる
名刺交換は、ビジネスチャンスを拡げるきっかけにもなります。
相手に好印象を与えて良好な関係を築いておけば、「この人になら仕事を任せられる」と思ってもらえるからです。
印象が悪いと不信感を抱かれて仕事に繋がりませんが、正しい名刺交換はビジネスを好転させてくれます。
社会人の名刺交換の基本マナー5選
身だしなみと同様に、名刺交換にも一定のマナーが存在します。
相手に好印象を持ってもらうためにも、基本的な5つのマナーを覚えておいてください。
1.訪問側が先に名刺を渡す
名刺交換は、訪問側から名刺を渡すのがマナーです。
慌てないように、名刺入れの上に名刺を重ねて準備しておきましょう。
名刺は、相手の顔を見ながら渡してください。
また、受け取る際は「頂戴します」と言いながら丁寧に受け取りましょう。
2.複数人の場合は上司から名刺交換を行う
複数人いる場合、上司から順に名刺交換を行います。
あらかじめ人数分の名刺を用意しておき、スムーズに交換できるようにするのがポイントです。
3.受け取った名刺はすぐにしまわない
名刺交換が終わり、打ち合わせなどを行う場合は、名刺をすぐにしまってはいけません。
必ずテーブル上に置いておき、相手がしまうまではそのままにしましょう。
相手が複数人いる場合は、席順に名刺を並べるのがポイントです。
4.名刺入れに丁寧にしまう
打ち合わせなどが終わり、相手が名刺をしまったら、受け取った名刺を名刺入れにしまいます。
スーツのポケットやカバン、財布などにしまうのはマナー違反なので注意しましょう。
5.名刺切れに注意
当然ですが、名刺切れには注意しておかなければいけません。
営業や商談の前は名刺を必ず確認し、枚数に余裕を持って用意しておいてください。
万一、名刺を切らしてしまっていた場合は、「名刺を切らしておりまして」などとお詫びをし、口頭で挨拶しましょう。
まとめ
身だしなみはビジネスマナーにおいて基本中の基本で、相手からの印象や関係性を左右する重要な要素です。
また、名刺交換も同様に重要度が高く、ビジネスチャンスを拡げるきっかけになります。
身だしなみや名刺交換を軽視すれば、ビジネスにおいて良い結果は生まれないので、本記事でご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。