
名刺交換で、同時に複数の人と交換するときはどうすればいいの?



複数の人と名刺交換するときに、スマートに名刺交換したい
名刺交換はただ名刺を渡すだけではなく、相手への敬意やビジネスマナーが表れる大切なコミュニケーションの一つ。
特に、複数人が関わる場合は、順番を間違えると相手に失礼な印象を与えてしまうこともあります。
そこで本記事では、新社会人が知っておきたい複数人と名刺交換をするときのポイントをわかりやすく解説します。
目下の人から先に名刺を渡す理由や、印象に残る渡し方のコツも紹介するので、自信をもって初対面の場に臨めるようになりましょう。
・複数名で名刺交換する際の3つの注意点
・特殊なシチュエーションの名刺交換パターン3選
・複数名の名刺交換で印象に残す2つのコツ



名刺交換の場で好印象を残し、その後のコミュニケーションを円滑に築くために、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
複数人と名刺交換するときの基本は「目上の人から」


複数人で名刺交換をする際は、まず「目下の人から目上の人へ」という基本マナーを押さえましょう。
目下にあたる側が先に名乗り、丁寧に名刺を差し出すことで、相手への敬意を示せます。
なお、営業活動では、一般的に営業担当者が目下、取引先が目上とされます。
そのため、取引先を訪問した場合は、立場や年齢に関係なく、訪問者が先に名刺を渡すのが正しい流れです。
複数人での交換では、まず訪問者全員が順に名刺を差し出し、続いて訪問先側が返します。
順番を誤ると失礼にあたるため、落ち着いて流れを確認しながら行いましょう。
名刺交換の基本については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。


複数人と名刺交換する際の4つの注意点


複数名で名刺交換する際は以下の4つに注意しましょう。
- 人数分の名刺を準備しておく
- 自社が複数名で先方が一人の場合は自社の上司から名刺交換する
- 自社が一人で先方が複数の場合は、自分から交換する
- 2対2など人数が同じ場合はそれぞれが同時に交換しても良い
ビジネスシーンで名刺交換を複数人でする場合は、特にマナーを意識しましょう。
人数分の名刺を準備しておく
複数人と名刺交換をする場面では、スムーズに進めるための準備が大切です。
まずは相手の人数を事前に確認し、必要な枚数の名刺を名刺入れにセットしておきましょう。
あらかじめ用意しておくことで、交換の際に一枚ずつ取り出す手間が省け、時間も短縮できます。
慌てて名刺を出そうとして落としたり、角を折ってしまう心配もなくなります。
また、打ち合わせの途中で予想外に人数が増えるケースもあるため、人数分ぴったりではなく余裕を持って準備するのがポイントです。
ちょっとした工夫が、落ち着いた印象を与え、好感度アップにもつながります。
自社が複数名で先方が一人の場合は自社の上司から名刺交換する
自社が複数名で先方が一人の場合は、自分たちの会社の上司が先に相手と名刺を交換するのがマナーです。
たとえ自分たちの会社からは2人で挨拶しに行って、相手が1人だけであっても、名刺を交換する時の礼儀は変わりません。
これは、日本の仕事の場では年齢や役職による序列を重んじる文化が根強いからです。
自社のメンバーが複数人いる時も、一斉に名刺を交換するのではなく、順番に名刺交換をしましょう。
また、相手にプレッシャーを感じさせない配慮が必要です。
相手が名刺を受け取るのに適したタイミングを見計らい、上司が名刺交換を終えたら、少し間を空けてから自分の名刺交換を始めるようにしましょう。
自社が一人で先方が複数の場合は自分から交換する
自社が一人で先方が複数人の場合、自社から名刺を交換するが一般的です。
名刺を交換するときの順序は、まず自分たちの名刺を相手の上司に渡し、次に相手の部下に渡します。
このとき、相手から名刺を受け取ったら、すぐにしまわずに、その名刺に記載されている名前や役職をしっかりと確認しましょう。
そして、可能であればその場で「〇〇様、本日はどうぞよろしくお願いします」と名前を呼んで挨拶すると、好印象を与えられます。
2対2など人数が同じ場合はそれぞれが同時に交換しても良い
名刺交換をする際には、自分たちの会社が仕事を依頼される立場であることを忘れずに、礼儀作法を守りましょう。
そのため、自分たちの会社から名刺を交換するのが基本です。
交換する順番は、以下のとおりです。
- 自社の上司→相手の上司
- 自社の上司→相手の部下
- 自社の部下→相手の上司
- 自社の部下→相手の部下
ただし、参加者がそれぞれ2人ずつの場合は、通常の2番目と3番目の交換を同時に行っても問題ありません。
また、複数名が同時に名刺交換する場合は立ち位置に注意が必要です。
位置によっては、手が交差するなど、相手と向き合って名刺交換できない可能性があります。
スムーズな名刺交換を心がけるためにも、可能であれば一人ずつ順番に交換するのがおすすめです。
特殊なシチュエーションで複数人と名刺交換するときのパターン3選


現在は交流会で複数名と一度に会うなど、ビジネスシーンが多様化しています。
またIT技術の発達により従来の方法以外の名刺交換があります。
特殊なシチュエーションで複数人と名刺交換するときのポイントは、以下の3つです。
- 立食パーティの場合は基本1対1で交換する
- 外国人に対しては必ずしも名刺交換にこだわらない
- オンライン会議ならデジタル名刺で一気に送る
順番に解説していきます。
立食パーティの場合は基本1対1で交換する
立食パーティーでの名刺交換は、たくさんの人が集まっているときよりも、テーブルのそばで行うのが好まれます。
もし、テーブルから離れた場所で声をかけられたら、「テーブルのそばでお話ししませんか」と提案して、そちらへ移動しましょう。
テーブルの近くで名刺交換をする理由は、食べ物や飲み物を手に持ったままではなく、テーブルに置いてから名刺交換をするためです。
立食パーティーならではの特別なマナーなため覚えておきましょう。
名刺を交換する順序や方法は、1対1と同様の手順です。
外国人に対しては必ずしも名刺交換にこだわらない
ビジネスの場で名刺を交換する際に、相手の名刺を丁寧に扱う行為は、日本独自の伝統的な文化です。
しかし、多くの外国の方々は名刺交換を日本のように重要視していない場合が多いです。
多くの外国人にとって名刺は、単なる連絡先が記された「メモ」や「物品」と同じ扱いなのです。
そのため、日本独特の名刺交換のマナーを外国の方に押し付けると、嫌がられる可能性があります。
たとえば、アメリカではビジネスシーンで相手の目を見て握手するのが礼儀とされています。
国際的なビジネスの場では、名刺交換にこだわらず、TPOに合った方法で連絡先を交換しましょう。
オンライン会議ならデジタル名刺で一気に送る
リモート勤務のため、オフラインでクライアントと名刺交換をしない場合は、デジタル名刺を利用しましょう。
デジタル名刺であれば、オンライン会議の前にデータとして名刺を送付できます。
また、対面の場合でも同じデジタル名刺アプリを使っている人同士なら、アプリ内で簡単にデータを交換したり、名前で検索して情報を共有したりできます。
グループ機能があれば、一度に複数の人に情報送信が可能です。
もし相手が異なるアプリを使っていたとしても、自分の名刺情報が載っているウェブサイトのURLやQRコードを見せれば、相手はそれを使って情報を得られるため名刺交換ができます。
また、ビジネスでは言葉遣いがきちんとできていることも重要です。詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


複数名の名刺交換で印象に残す2つのコツ


交流会などで印象を残して、少しでもビジネスチャンスを広げる方法が知りたい方は多いかもしれません。
ここからは、複数名の名刺交換で印象に残すコツを2つ紹介します。
- 自分の名前をはっきりと伝える
- 完璧なビジネスマナーで好印象を与える
順番に解説します。
自分の名前をはっきりと伝える
名刺を交換する時、特にたくさんの人と同時に行う場合、背景の雑音や自身の声が小さくて、名前が聞き取りにくくなることがあります。
そのため、自分の名前を大きな声ではっきりと伝えると、相手の印象に残りやすいです。
意外にも、ほとんどのビジネスマンが自分の名前をはっきりとはいえません。
そのため、相手に聞き取りやすい声で話すだけでも差別化ができます。
たとえば、「○○株式会社の○○です」と大きな声で伝えると、相手は「この人は印象に残る」と感じるでしょう。
反対に、名前が伝わらないと、名刺交換は単なる形式的な儀式になってしまいます。
ほんの少し声を意識するだけで相手に良い印象を与え、ビジネスチャンスが広がります。
完璧なビジネスマナーで好印象を与える
ビジネスマナーを完璧に習得しておくと、他のビジネスマンよりも圧倒的に相手に良い印象を与えられます。
たとえば、デキるビジネスマンは以下の6つの作法を抑えています。
- 相手への敬意を表す態度
- 適切な言葉遣い
- 身だしなみの清潔さ
- ビジネスメールの適切な形式
- 報告・連絡・相談の徹底
- ビジネス全体のスケジュール管理
また、社外でのビジネスマナーとして、会社訪問時の適切な行動、名刺交換の正しい方法、お礼メールの送り方が挙げられます。
ビジネスマナーを完璧に実践すると、クライアントとの信頼関係の構築につながります。
ビジネスマナーで大切にしたいポイントは、たったの5つです。押さえておきたいポイントを詳しく知りたい方は、以下記事をご覧ください。


まとめ


名刺交換はビジネスの場で重要な作法の一つです。
ただ情報を交換するだけでなく、相手に対する敬意を表す行為でもあります。
特に複数人が関わる場合、目上の人を優先して名刺を交換するのが礼儀です。
そのため、事前に相手の役職や地位を調べ、準備を整えて訪問することが大切です。
また、相手への敬意を示す行動も忘れてはいけません。
どちらかが欠けると、相手に良い印象を与えることは難しくなります。
役職や地位に捉われず、常に敬意を持った行動が大事です。
名刺交換におけるビジネスマナーを習得し、お互いに心地よい関係を築いていくことを心がけましょう。