名刺にはふりがなを表記した方がいいの?
ふりがな表記の注意点はある?
名刺交換時、相手の名前を見て「なんて読むんだろう…」と困った経験はありませんか。
反対に、相手から「なんとお読みすれば良いですか」と聞かれた経験はないでしょうか。
名刺にふりがなを書いている方もいますが、デザインやスペースの関係から表記するか迷っている方もいるでしょう。
そこで本記事では、名刺のふりがな表記についてメリットやデメリット、注意点をご紹介します。
- 名刺にはふりがなを表記した方がいい?
- ふりがなはローマ字表記がおすすめ
- 名刺にふりがなを表記する際の注意点
ぜひ、名刺作りの参考にしてみてください。
名刺にはふりがなを表記した方がいい?
名刺の表記内容には明確な決まりがないため、「絶対にふりがなが必要」ということはありません。
しかし、名刺を渡す相手に名前を正しく覚えてもらうためにも、ふりがなは表記するのがおすすめです。
名刺交換時は名前を言いながら渡しますが、難しい漢字が使われていたり読み方が特殊な名前の場合、後で見たときに「なんて読むんだっけ…」と思われる可能性もあります。
たとえば、「東海林」という姓の場合、「とうかいりん」とそのまま読むこともありますが、「しょうじ」という特殊な読み方もあります。
また、「山崎」という姓の場合、「やまざき」もしくは「やまさき」の2通りの読み方があるでしょう。
どちらも、ふりがながなければ読み方を間違える可能性が高い姓です。
ふりがなを表記しておけば読み方に迷うことがないため、相手を困らせることもなく、正しい名前を覚えてもらえます。
ふりがなを表記するメリット
ふりがなを表記すると、正しい名前を覚えてもらえるだけでなく、相手に好感をもってもらえることがあります。
たとえば、「舎利弗」という苗字の場合、ふりがな無しでは読み方を聞かれる可能性が高いでしょう。
しかし、名前の後に「とどろき」とふりがなが表記されていれば、わざわざ聞く必要はありません。
受け取る相手のことを考えて分かりやすく表記しておけば、「親切な人」「丁寧な人」など、相手から好感をもってもらえることもあるでしょう。
ふりがなを表記するデメリット
ふりがなを表記すると、わずかですがスペースを取るため、他にたくさんの情報を載せたい方にとってはデメリットになるかもしれません。
また、何も考えずに表記すると、バランスが悪くなる可能性もあるでしょう。
名刺はスペースが限られているため、情報を載せすぎると見づらくなってしまいます。
ふりがなを表記することで、かえって分かりづらくなってしまう場合や、「山田太郎」といった誰でも読める名前の場合は、書かなくても良いでしょう。
ふりがなはローマ字表記がおすすめ
ふりがなを表記する場合、ひらがなやカタカナでも問題ありませんが、稚拙な印象を与える可能性があります。
決まりが無い場合は、ローマ字を使用するのがおすすめです。
ローマ字には「ヘボン式」と「訓令式」があり、一般的に小学校で学ぶのは「訓令式」です。
しかし、パスポートや駅名などのローマ字表記に使用されているのは「ヘボン式」なので、名刺のふりがな表記にはヘボン式ローマ字を使用した方が良いでしょう。
ヘボン式ローマ字
ヘボン式は、日本語の発音がしやすいように海外の方向けに考案された方式で、訓令式との違いは以下です。
- ヘボン式:TA・CHI・TSU・TE・TO
- 訓令式:TA・TI・TU・TE・TO
基本的に、ヘボン式を使用する機会の方が多いため、知っている方は多いと思いますが、一部注意が必要な表記もあります。
小さい「っ」などは子音を重ねる
- 服部(はっとり):HATTORI
- 堀田(ほった):HOTTA
長く伸ばして発音する音は表記しない(OO・UUなど)
- 多田(おおた):OTA
- 加藤(かとう):KATO
「ん」を表記する際は、「N」を使う
- 安藤(あんどう):ANDO
- 神田(かんだ):KANDA
ただし、B・M・Pの前に「ん」がつく場合は「M」を使う
- 難波(なんば):NAMBA
- 本間(ほんま):HOMMA
普段自分が使用しているローマ字表記が合っているか今一度確認し、正しく使うようにしましょう。
名刺にふりがなを表記する際の注意点
名刺の表記内容に決まりがないのと同様、ふりがなの表記方法にも明確な決まりはありません。
しかし、ローマ字で表記する場合は以下の内容に注意が必要です。
- 頭文字は大文字
- 名→姓で表記
- 漢字表記の近くに書く
- 漢字表記よりも小さめにする
- フォントを揃える
それぞれ詳しく見てみましょう。
頭文字を大文字にする
ローマ字で名前を表記する際は、頭文字を大文字にするのが一般的です。
たとえば、「名刺 太郎」をローマ字で表記する場合は以下です。
・Taro Meishi
また、姓を強調するために姓だけすべて大文字にする場合もあります。
・MEISHI Taro
他にも、姓の後にコンマを入れて「Meishi, Taro」のように表記したり、姓をイニシャルにして「M. Taro」と表記する方法もあります。
どれを選んでも良いですが、とくに決まりがない場合は、姓と名の頭文字を大文字にする表記方法がおすすめです。
名→姓で表記
ローマ字で名前を表記する際、名・姓どちらを先に書いても構いませんが、英語表記に合わせて「名→姓」にするのが一般的です。
しかし、2019年5月に政府は「姓→名」で表記するよう、メディアなどに通知すると発表しています。
現状、「姓→名」の表記はあまり浸透していないようですが、今後少しずつ変わってくる可能性もあると覚えておきましょう。
漢字表記の近くに書く
ふりがなは名前の下や横など、漢字表記の近くに書くようにしましょう。
たとえば、横書きの名刺に表記してある内容を上から順に見ると以下になります。
- 会社名
- 肩書き
- 名前
- ふりがな
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
縦書きの場合は名前の左に表記したり、デザインによっては名前の上に表記することもあります。
表記場所に決まりはないものの、名前を見たときにふりがなも目に入るよう、漢字の近くに表記しておきましょう。
漢字表記よりも小さめにする
ふりがなは、漢字表記よりも小さめに書くのがポイントです。
漢字表記と同じようなサイズにしてしまうと、バランスが悪いだけでなく何に注目したら良いのか分からなくなってしまいます。
ただし、文字サイズが小さすぎると読みづらいため、6pt以上になるように注意しましょう。
フォントを揃える
ふりがなのフォントは、他の表記内容と揃えるようにしてください。
たとえば、会社名や名前、住所などに明朝体を使用している場合、「Times New Roman」「Century」などのセリフ体を使用します。
また、ゴシック体の場合、「Arial」「Helvetica」などのサンセリフ体を使用しましょう。
フォントがバラバラでは、まとまりが無く雑な印象を与えてしまいます。
まとめ
本記事では、名刺のふりがな表記のメリット・デメリット、注意点などをご紹介しました。
名刺の表記内容に決まりはないので、ふりがなを書く・書かないは自由です。
しかし、受け取る相手にとって分かりやすい名刺にするためにも、ふりがなは表記しておいた方が良いでしょう。
とくに、今までに一度でも読み方の確認をされた経験がある方は、ふりがな表記を検討してみてください。