SDGsってなに?興味はあるけど何から始めればいいかわからない
最近は、環境問題や社会問題への取り組みとして「SDGs」という言葉を聞く機会が増えています。
しかし、言葉は知っていても「どんな意味があるのか」「なぜ取り組む必要があるのか」知らない方は多いのではないでしょうか。
また、興味はあるけれど、何をしたらいいのか分からない方がいるかもしれません。
そこで本記事では、SDGsの具体的な意味や目標、小学生でもわかる身近な取り組みなどについて解説していきます。
- SDGsとは開発を続けながら世界をより良くするための目標
- SDGsの意味は持続可能な開発目標
- 日本政府におけるSDGs3つの取り組み
- 小学生でもわかる身近な取り組み5選
- SDGsにおける17の目標一覧
- ecobeではエコ名刺の作成によりSDGsに貢献
「SDGsを簡単に説明できるようになりたい」「身近な取り組みを始めてみたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。
SDGsとは開発を続けながら世界をより良くするための目標
近年、安定して暮らし続けるのは困難になっていくのではないかと心配される、多くの課題に世界中が直面しています。
そんな中、世界中にある環境や差別、貧困、人権などのさまざまな問題を、世界の全員で解決していこうという目標がSDGsです。
SDGsは2030年までに達成すべき目標として、具体的な17個のゴールと169のターゲットが掲げられています。
2015年9月に開催された国連サミットで、すべての加盟国が合意して採択されました。
「地球上の誰一人取り残さない」を原則に、発展途上国だけでなく先進国も取り組む必要があり、日本も積極的に取り組んでいます。
また、国際機関や政府だけでなく、地方自治体や企業、個人一人ひとりが、それぞれの立場でできる行動が求められています。
SDGsの意味は持続可能な開発目標
SDGsは「Sustainable Development Goals」の頭文字と複数形のsを取った略称です。
「Sustainable」持続可能な、「Development」開発、「Goals」目標、という意味を表します。
持続可能とは、人間の活動が自然環境に悪影響を与えず資源が守られて、将来に渡り今の状態が維持できることです。
開発とは、経済や社会、地域の価値が高まり、自分の能力を発揮しながら、すべての人が安心して満足に暮らせる状況を指します。
そのため、目先の利益や便利さを追求するだけでは達成できず、「経済」「社会」「環境」の要素を調和させる必要があります。
MDGs(ミレニアム開発目標)はSDGsの先駆け
SDGsの前身に、MDGs(ミレニアム開発目標)があります。
MDGsは2000年に国連ミレニアムサミットで採択された、国際社会共通の目標です。
2015年までに達成する目標として、貧困や保健、教育、ジェンダーなど8つの項目が設定されています。
世界が取り組んだ結果、期限の2015年までに貧困者数が減ったり、学校に通える子どもが増えたりと一定の成果がみられました。
しかし、MDGsは内容が先進国による途上国への支援が中心であるという課題がありました。
先進国が仕組みやルール作りを主導し、途上国の意見や考えが反映されにくくなっていたのです。
日本政府におけるSDGs3つの取り組み
日本政府もSDGsの達成に向けて、国をあげて取り組んでいます。
代表的な活動に以下の3つがあります。
- 行政機関からSDGs推進体制を整えている
- ジャパンSDGsアワードを開始し企業や団体の参加を促進している
- SDGs未来都市を決めて持続可能な地域の実現を進めている
それぞれ解説していきます。
行政機関からSDGs推進体制を整えている
日本政府は2016年に、内閣総理大臣を本部長、全閣僚を構成員とするSDGs推進本部を設置しました。
SDGs推進本部の会合で、中長期戦略であるSDGs実施方針が策定され、今後の推進体制における役割と連携について明記されました。
また、日本政府の取り組みを加速させるため、SDGs実施方針をもとに、SDGsアクションプランが毎年策定されています。
SDGsアクションプランには、全省庁による具体的な施策が盛り込まれており、国内の実施と国際協力の両面でSDGsを推進しています。
ジャパンSDGsアワードを開始し企業や団体の参加を促進している
SDGs推進本部は2017年に、ジャパンSDGsアワードを創設しました。
ジャパンSDGsアワードは、SDGs達成に向けて優れた取り組みを行っている企業や組織、団体を表彰するものです。
SDGs達成の取り組みを見える化して、より多くの企業や団体の活動を促進させるのが狙いで始まりました。
これまで、企業に限らず地方自治体やNGO、NPO、教育機関など、さまざまな組織が表彰を受けています。
SDGs未来都市を決めて持続可能な地域の実現を進めている
SDGs未来都市とは、SDGsの達成に向けて取り組んでいる都市を選定する制度です。
自治体のSDGsの取り組みを拡大させ、SDGsを原動力とした地方活性化を促進するのがこの制度の狙いです。
2018年から2020年の3年間で、93の都市がSDGs未来都市に選定されました。
SDGs未来都市の中でも、とくに先導的な取り組みを行っている都市は「自治体SDGsモデル事業」として、資金面での支援を受けられます。
小学生でもわかる身近な取り組み5選
SDGsへの取り組みは、大人だけでなく子どもも実践できます。
たとえば、小学生でもできる取り組みに以下の5つがあります。
- 食べ物や飲み物は残さない
- ゴミは分別する(減らす)
- 使わない電気は消す
- 水の無駄遣いはしない
- 誰に対しても平等に接する
ひとつずつ紹介していきます。
1.食べ物や飲み物は残さない
自分が食べきれる量だけ取ったり、作ってもらったりして、食べ残しをしないように心掛けてください。
好き嫌いを減らし、ご飯を残さず食べると、食品廃棄の削減に協力できるのでSDGs達成の貢献につながります。
もし食べきれない場合は、早めに冷凍するなどして、傷む前に食べきるよう工夫するのが大切です。
また、本来使えるところを使わなかったり、まだ食べられるのに捨ててしまったりするのもやめてください。
世界では貧困や飢餓が発生している一方で、食品が大量に廃棄されている現実があります。
SDGsの目標の一つである「飢餓をゼロに」を念頭に、世界の食糧事情にも配慮しましょう。
2.ゴミは分別する(減らす)
ゴミはできるだけ分別して、可燃ごみを減らすようにしてください。
ゴミは正しく分別すれば、リサイクルできるものは資源として再利用できます。
また、簡易包装の物を選んだり過剰包装は断ったりして、そもそものゴミの量を減らすのも大切です。
プラスチックゴミは環境や生態系の破壊に影響を与えているので、なるべく利用を控えたい所です。
エコバッグや水筒を持ち歩き、ペットボトルや袋を買わないようにすれば、使い捨てゴミを減らせます。
鉛筆や消しゴムなどは最後まで使い、おもちゃやゲームを長く大事に使うのもゴミを減らすのに有効です。
ゴミを再生して作られた製品を積極的に利用するのも、SDGs達成につながる行動の一つです。
3.使わない電気は消す
ゲームやパソコンを使わない時は電源を切る、使っていない部屋の電気はこまめに消すなど、使わない電気は消してください。
電気の無駄遣いを減らし、次世代にエネルギーを残す取り組みにつながります。
エネルギーは天然ガスによって生み出されるものが多いのですが、使い過ぎると二酸化炭素が大量に放出されます。
この二酸化炭素の排出が地球温暖化の原因とされており、節電で気候変動を抑制できます。
太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーの開発も進んでいますが、まだメインのエネルギーではありません。
節電の家電やグッズもたくさん出ているので、上手に取り入れて電気の使用量を減らしていきましょう。
4.水の無駄遣いはしない
水道やお風呂のシャワーは出しっぱなしにせず、こまめに止めて水の無駄遣いをしないよう心掛けましょう。
トイレのレバーの大小を使い分けたり、節水グッズを使ったりするのも有効です。
節水はSDGsの目標の一つである「安全な水とトイレを世界中に」に貢献します。
日本にいると忘れがちですが、そもそも水は限りある資源で、どこにでも当たり前にあるものではないです。
発展途上国では、不衛生な水でも飲み水として利用しなければならないケースが起きています。
今後は世界中で水不足になる恐れがあると言われており、日本も水を大切に使っていく必要があります。
5.誰に対しても平等に接する
性別や年齢、見た目などに左右されず、どんな人に対しても平等に接してください。
いじめや差別は、平和で平等な社会を作る妨げになります。
世界では、宗教や思想、ジェンダー、出身地によって不当な扱いを受けたり、サービスを受けられなかったりする事態が起こっています。
海外ほどではないにせよ、日本でもいじめや差別の存在は否定できません。
また、さまざまな考え方の人たちと共存する社会を実現するために、多様性を尊重しなければならない時代です。
身近な友達と仲良く遊ぶだけでも、他人との違いを知りお互いに認め合える土台になります。
SDGsの目標の中にも平等や公正、平和に関するものが多く含まれています。
これからの社会は、さまざまな価値観と触れ合い受け入れるのが大切になってくるでしょう。
SDGsにおける17の目標一覧
SDGsの目標は、人権や社会、経済、環境など、さまざまな分野にまたがった課題が分類されています。
具体的に定められた目標は以下の17個です。
- 貧困をなくそう
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせよう- 飢餓をゼロに
飢餓を終わらせ、全ての人が一年を通して栄養のある十分な食料を確保できるようにし、持続可能な農業を促進しよう- すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進しよう- 質の高い教育をみんなに
全ての人が受けられる公正で質の高い教育の完全普及を達成し、生涯にわたって学習できる機会を増やそう- ジェンダー平等を実現しよう
男女平等を達成し、全ての女性及び女児の能力の可能性を伸ばそう- 安全な水とトイレを世界中に
全ての人が安全な水とトイレを利用できるよう衛生環境を改善し、ずっと管理していけるようにしよう- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
全ての人が、安くて安定した持続可能な近代的エネルギーを利用できるようにしよう- 働きがいも経済成長も
誰も取り残さないで持続可能な経済成長を促進し、全ての人が生産的で働きがいのある人間らしい仕事に就くことができるようにしよう- 産業と技術革新の基盤をつくろう
災害に強いインフラを作り、持続可能な形で産業を発展させイノベーションを推進していこう- 人や国の不平等をなくそう
国内及び国家間の不平等を見直そう- 住み続けられるまちづくりを
安全で災害に強く、持続可能な都市及び居住環境を実現しよう- つくる責任つかう責任
持続可能な方法で生産し、消費する取り組みを進めていこう- 気候変動に具体的な対策を
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じよう- 海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために海洋資源を保全し、持続可能な形で利用しよう- 陸の豊かさを守ろう
陸上の生態系や森林の保護・回復と持続可能な利用を推進し、砂漠化と土地の劣化に対処し、生物多様性の損失を阻止しよう- 平和と公正をすべての人に
持続可能な開発のための平和的で誰も置き去りにしない社会を促進し、全ての人が法や制度で守られる社会を構築しよう- パートナーシップで目標を達成しよう
目標の達成のために必要な手段を強化し、持続可能な開発にむけて世界のみんなで協力しよう
出典:<私たちがつくる持続可能な世界>外務省・日本ユニセフ協会作成
ecobeではエコ名刺の作成によりSDGsに貢献
ecobe(エコビー)では、エコ名刺の作成を通してSDGsに貢献しています。
とくにバナナペーパーは、SDGsのすべての目標達成につながっているエコ素材です。
バナナペーパーを作る工場の運営で、途上国に住む方たちの雇用を創出しています。
再生可能エネルギーの使用や、井戸を掘り安全な水の提供、栄養価の高い食事を提供しており、衛生面、健康面の向上にも取り組み中です。
チームメンバーの男女比はほぼ半々で、ジェンダーの平等に配慮されています。
雇用のおかげで子どもが学校に通えるようになり、勉強できる機会が増え大学に進学するケースも出てきました。
また、バナナペーパーに使用するオーガニックバナナ繊維は、これまで廃棄されていた茎から採取されます。
そのため、付加価値として収入が増加し、廃棄による環境への負荷を減らす取り組みになっています。
まとめ
本記事では、SDGsの具体的な意味や目標、小学生でもわかる身近な取り組みなどについて解説してきました。
SDGsとは持続可能な開発目標を意味し、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられています。
世界中の貧困や不平等、環境問題などさまざまな課題を解決するため、2015年の国連サミットで採択されました。
日本も「ジャパンSDGsアワード」を開始したり「SDGs未来都市」を選定したりして、積極的に取り組んでいます。
SDGsの取り組みは、食べ残しやゴミ、電気、水の無駄遣いを減らしたり、誰にでも平等に接したりなど、小学生でも始められるものがあります。
また、ecobe(エコビー)では、エコ名刺の作成によりSDGsの目標達成に貢献しようとしているので、興味のある方はぜひご検討ください。
本記事が、SDGsの意味や目標を正しく理解し、少しでも取り組むきっかけになってくれれば幸いです。