SDGsって何のためにやるの?本当に環境にいいの?
SDGsについてニュースなどでも多く取り上げられ、みなさんも耳にする機会が多いのではないでしょうか。
あなたは、「本当の狙いは何かあるの?」と政府の裏の狙いを疑っているかもしれません。
結論として、SDGsには裏の狙いはありません。
しかし、SDGsの目標を達成するためには、結果的に欧州や中国、アメリカの利益につながっている事実があります。
- SDGsに関する情報は正しく取捨選択しよう
- SDGsは矛盾しているといわれている3つの理由
- 実は環境に悪い取り組み3選
- SDGsによって儲けている国や地域3つ
- SDGsは解釈によっては悪用される
SDGsに関する事実を理解した上で、最適な行動を取捨選択するための参考にしてください。
SDGsに関する情報は正しく取捨選択しよう
SDGsの本当の狙いを理解する上では、さまざまな情報の中から取捨選択する必要があります。
偏った解釈ではなく、個人や政府、地球全体といった視点で考えなければなりません。
たとえば、環境に良いといわれている電気自動車ですが、技術を開発する過程で、大量の廃棄物を発生させています。
個人の力では、どうしようもなく無力感にさいなまれて、SDGsは無駄だと感じるかもしれません。
しかし、SDGsの達成も大切ですが、今ある地球環境を子どもたちの未来につなげていく活動は一人ひとりの協力が不可欠です。
情報が溢れている現代社会において、ニュースの情報を一方的に信じるのではなく、自分の頭で考えるのが大切です。
SDGsは矛盾しているといわれている3つの理由
SDGsは矛盾しているといわれている理由は、3つあります。
- 海の資源を守りながら飢餓を無くすのは難しい
- 開発をやめれば環境は守られる
- エネルギー資源は原産国に偏っている
それぞれ解説していきます。
海の資源を守りながら飢餓を無くすのは難しい
SDGsのゴールの1つである、「飢餓をゼロに」という項目は、「あらゆる形の栄養不足の解消」を目標に設定されたゴールです。
一方で、17のゴールの中には「海の豊かさを守ろう」という項目があります。
2つのゴールは、どちらも人類が開発し続けるために、達成すべき目標です。
しかし、海の豊かさを守るために漁業を規制すると、市場に出回る魚が減ります。
飢餓をゼロにするには、貧困が問題の地域において魚などを食べる必要があるでしょう。
また、漁業が規制されると雇用が減り、収入源が無くなる人がいます。海を守るなら、魚以外の食料を確保する必要があるのです。
開発をやめれば環境は守られる
SDGsで掲げられた目標に「働きがいも経済成長も」という項目と「気候変動に具体的な対策を」の2つがあります。
経済成長をするためには、化石燃料の利用や電力の確保における、CO₂の排出は避けられません。国連に加盟する多くの国が、資本主義です。
経済成長を促すためには、新たな技術や商品を生み出すための「開発」が欠かせません。
最も簡単に環境を守るには、開発をやめれば良いのです。
しかし、世界中で開発や温室効果ガスの排出を規制して、生活を送るのは非現実的でしょう。
そのため。高度な経済成長をするためには、全く新しいエネルギー技術の開発が必要です。
エネルギー資源は原産国に偏っている
SDGsで掲げられている目標に「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」という目標があります。
環境負荷の少ないエネルギー資源の活用を進めるという意味です。
石油や天然ガスなどの、エネルギー資源を持たない国でも、経済的に発展するような取り組みが必要です。
そして、太陽光や風力、水力などといった二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を抑えた「クリーンエネルギー」への変換技術の開発が求められています。
天然資源を保有している国だけが、輸出によって資金を得て豊かになっている事実があります。
世界的に、エネルギー資源を分け合えるような日が来ると、本当の意味でSDGsが達成できるでしょう。
実は環境に悪い取り組み3選
実は環境に悪いといわれているSDGsの取り組みは、以下の3つです。
- ソーラーパネルの生産には大量のCO₂を排出している
- メガソーラーは自然を破壊して設置されている
- SDGsを達成しようとすると天然資源を大量に消費する
それぞれ解説していきます。
ソーラーパネルの生産には大量のCO₂を排出している
太陽光や風力といった再生可能エネルギーを増やすために、日本でも「太陽光発電」の導入が進められています。
2009年からの10年間、再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」が導入され、全国で太陽光発電が普及しました。
一方で、ソーラーパネルを製造する過程で、二酸化炭素が排出されます。
自然エネルギーの利用を推進すると、二酸化炭素の排出を生んでしまっているという二面性を理解するのが大切です。
自然のエネルギーを、電力や火力に変換する技術開発は急務です。
しかし、開発の過程における環境負荷の側面は、忘れてはいけません。
メガソーラーは自然を破壊して設置されている
農地や山を切り崩して、メガソーラーなどの設備を作るケースが増えています。
ソーラー施設の開発は、SDGsで掲げられている、環境負荷が小さいエネルギー利用を推進しているように感じられるでしょう。
しかし、森を無くして生態系を乱す行為は、自然破壊といえます。
世界中で自然が破壊されると、景観が損なわれるだけでなく、災害や獣害の発生を助長する可能性もあるのです。
一方で、津波の被災地などを有効活用した太陽光発電施設が設置されている場所があります。
そのため、必ずしも太陽光発電施設の全てに問題があるとはいえません。
自然との調和を前提に、自然エネルギーの有効活用を考える必要があります。
SDGsを達成しようとすると天然資源を大量に消費する
SDGsは、地球にやさしい取り組みであるように感じますが、必ずしも正しとは限りません。
「SDGsの達成率を表すデータ」によると、スウェーデンでは、年間に国民1人当たり消費する天然資源は約32tでした。
ちなみに、世界平均は約12tです。「SDGsの達成率を表すインデックス」は、エコロジカルな負荷、社会的な開発度、インフラの開発度に分けられています。
開発に対する評価項目が多いため、SDGsの達成率が最も高いはずのスウェーデンが、開発のために多くの天然資源を消費しているという、矛盾が生まれているのです。
SDGsによって儲けている国や地域3つ
SDGsの取り組みによって利益を得ている国や地域は、以下の3つです。
- 中国はソーラーパネルの生産量世界一
- 欧州はESG投資で世界中から資金を調達
- アメリカは軍事産業で輸出金額がトップ
それぞれ解説していきます。
中国はソーラーパネルの生産量世界一
SDGsに関する取り組みで儲けている国の1つが「中国」です。
中国は、太陽光発電関連の輸出を多く行っており、世界の約90%のシェアを占めています。
中国では、ソーラーパネルの開発にかかる費用を削減し、商品コストの競争で勝利しました。
しかし、低コスト商品における裏側では、一部の地域で強制労働が強いられていたといわれています。
SDGsへの取り組みが進む中で、労働者の人権侵害につながってしまっているケースもあるのです。
欧州はESG投資で世界中から資金を調達
ESG投資とは、適切なガバナンスがなされており、環境や社会に配慮して事業を行っている会社への投資を指します。
SDGsの達成には、開発技術のある企業の協力が不可欠です。
2022年時点で「ESG投資」の各地域への投資比率を見ると、欧州が46%、アメリカが28%、日本が14%となっています。
一方で、欧州では「グリーンウォッシュ」が増加しています。
グリーンウォッシュとは、企業がSDGsに取り組んでいると見せかける行為です。
実体経済に対して影響力を発揮できない「名ばかりのESG投資」が問題視されている実情があります。
アメリカは軍事産業で輸出金額がトップ
SDGsの取り組みが、戦争に関わっている事実があります。
天然ガスなどのエネルギー資源はロシアが輸出しており、ウクライナとの戦争における財源といえます。
ロシアは、アメリカ、サウジアラビアに次ぐ世界3位の石油産出国で、天然ガスではアメリカに次ぐ世界2位の産出国です。
現在、EUでは2027年までにロシアからのエネルギー資源の輸入をゼロにする目標を掲げています。
そのため、ロシアはEU以外の地域へのエネルギー資源の輸出に力を注ぎ、資源収入の維持を図っているのです。
各国が、化石燃料に頼らない社会を実現するといった課題があるでしょう。
SDGsは解釈によっては悪用される
SDGsは世界的な取り組みとして、個人、企業、国で活動が推進されています。
マーケティングによって、本当は環境負荷が高い取り組みを推進している場合があります。
また、今後さらにSDGsが推進される中で、環境負荷の高い取り組みが脚光を浴びる可能性もあるのです。
私たちは「本当に意味のある取り組みなのか」といった視点が大切です。さまざまな視点からの情報を集めて、SDGsの本当の狙いを理解するようにしましょう。
まとめ
SDGsが矛盾していると言われる原因や、環境負荷が高いと考えられる取り組みなどについて紹介しました。
個人がSDGsに対して興味を持ち、環境や社会のために、自分のできる取り組みを行う姿勢は大切です。
しかし、SDGsとうたわれる活動の中には、本来の目的から逸脱したケースがあります。
善悪を自分自身で判断ができるように、情報収集を心がけましょう。
環境や社会のために最善の活動をするために、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。